ボランティア・スピリット
前は月に5~6冊、多いときは10冊ぐらい読んでたのに、最近はLINEのゲームばっかりで読書から遠ざかってしまって。「これではイカン」と思い、久しぶりに図書館へ行って何冊かの本をかりてきました。
永井するみさんは好きな作家さんの一人。
長編はとても読み応えがあるし、短編は1本1本とても丁寧で、短いけど内容が詰まってる感があります。
最後に読んだのは「微熱」というエステ業界を舞台にした長編。すごく面白くて一気読みしました。
今回は市民センターで外国人に日本語を教えるボランティの人たちや、それを取り巻く人達を主人公にした短編連作集です。
どの作品も良かったけど、個人的に好きなのは3作目の「雨」
この主人公はボランティアで英語を教えている人ではなく、教えてもらっている外国人の奥さんです。
ざっくりあらすじを書いてしまうと、アラフォーで恋愛や結婚には縁がなかったような女性が、10ほど歳の離れた外国人と出会って結婚をしました。その後たまたまご主人の様子を見に行った市民センターで、生徒が書いているアンケート用紙が積み上げてあり、そこに自分の旦那の書いたアンケート用紙を見つけます。アンケートには当たり障りのない質問が書いてあったのですが、最後に「日本に来て嫌だったことは?」という質問に対して、彼は「年上のおばさんと一緒にすまなければならないことです」と書いていたのです。そのことを言い出せない彼女、いつものように優しい彼・・・・・。
主人公の年齢が自分に近いこともあり、一緒に切なくなってしまった(笑)。
恋愛感情だけでなく、嫉妬、偏見、共存、悪意等、いろんな気持ちが描かれている作品です。
同じような短編連作集で「涙のドロップス」という作品があるのですが、これもそれぞれの主人公の気持ちがとても丁寧に描かれていて、女性の方におすすめの作品です。
残念ながら永井さんはもうこの世にはいらっしゃいません。
新しい作品を読むことは出来ないけど、まだ読んでいない作品もあるのでこれから、一気に読むのはもったいないから、ちょっとずつ読んでいこうと思います。
■ボランティア・スピリット / 永井するみ 著
・冬枯れの木
・ボランティア・スピリット
・雨
・誰に恋すればいい?
・きれいな手
・ジャスミンの花
・夜に辿る道
・そばにいて
・言葉にならない